新型コロナウィルスは収束の気配を見せ、ヨーロッパ域内の移動が可能になりましたが、現時点では日本からヨーロッパ、中東、アメリカ、アジアに旅行に出かけることはまだ困難な状況です。もう少し経てば旅行に行けるようになりますから、それまでは、各国の観光局や政府機関が提供するバーチャル旅行の素材を自宅で楽しんで、実際の旅行に備えましょう。ここでは、トルコ各地の博物館のバーチャルツアーをご紹介します。
アンカラにあるアナトリア文明博物館
アジアとヨーロッパを繋ぐ戦略的に重要な地点に位置するため、アナトリア半島は先史時代からいくつかの文明の発祥地となってきました。アナトリア文明博物館では、旧石器時代から古代青銅器時代、アッシリアの植民地時代、古代ヒッタイトとヒッタイト帝国時代、など、この地で勃興したさまざまな文明の出土品が展示されています。
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アンタルヤ考古学博物館
トルコ南部、地中海地方アンタルヤ県の県都アンタルヤにあるアンタルヤ考古学博物館は、近隣の遺跡から出土した彫像や石棺が展示されています。ミケーネ時代やヘレニズム時代の出土品から、ローマ時代の彫刻や石棺などです。収蔵されている数もさることながら、数千年前のものなのにそのクオリティの高さは圧巻です。ここの目玉は1980年にベルゲ遺跡で出土した「ヘラクレス」の像ですが、約1800年前に造られたこの作品は盗難に遭い、上半身が海外に持ち出されていました。巡り巡って、ボストンに渡っていたものをトルコ政府が4年かけて交渉し、トルコに返還されました。現在はここアンタルヤ考古学博物館に所蔵され、「疲弊したヘラクレス」と呼ばれています。むりやり胴体を継ぎ足してあるのが痛々しく見えると言われています。
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エフェソス博物館
エフェソスは、トルコ西部の小アジアの古代都市で、現在のイズミル県のセルチュク近郊に位置しています。アルテミスを崇拝するギリシア人都市でしたが、のちにキリスト教を受容しました。アレキサンドリアの図書館、ローマ時代の劇場跡などが残っています。2015年に世界遺産に登録されました。エフェソス博物館では、エフェソス遺跡やその周辺で発掘された2万5000点の中から1000点が展示されています。
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トロイ博物館
トロイの木馬のエピソードで知られるトロイは、シュリーマンのイリオス遺跡発掘で神話の物語でなく、現実に存在したことが証明されました。トロイの考古遺跡として1998年に世界遺産に登録され、2018年には出土品を展示するトロイ博物館がオープンしています。バーチャルツアーでは、館内4フロアを自由に行き来して、展示物を鑑賞できます。
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