セビリアの春祭り(4月)、パンプローナのサン・フェルミン祭(7月)とともに、スペインの3大祭りのひとつとされているバレンシアのラス・ファジャス(火祭り)は、イエスキリストの義父である聖ヨセフ(スペイン語でサン・ホセ)の祝日を祝うために、3月15日から19日までの5日間開催されます。
バレンシアはこのラス・ファジャス(火祭り)で春を迎えます。一晩で焼き尽くされてしまうボール紙で作られた数々の巨大な張子人形は、何カ月もかけて準備されます。 この火祭りは、2016年にユネスコの世界遺産に登録されました。
昔、大工職人達が冬に仕事場の照明として使っていた「パロット(parot)」と呼ばれる木製のランプをサン・ホセの日の前夜に街中で燃やしていたことがその起源であるといわれています。街の人々が一年かけて作り上げた巨大な張り子の人形を街頭に飾り、最終日の深夜にすべて焼き払います。期間中は爆竹ショーや聖母像への献花パレードなど行事が盛り沢山で、世界中の人々が見物に訪れる、人気のお祭りです。