毎年9月にペルーの首都・リマにて開催されている、ラテンアメリカ最大のグルメフェスティバル「ミストゥーラ(Mistura)2018」が、今年も9月7日から16日にかけて、リマ市内マグダレーナ・デル・マル地区コスタ・ベルデで開催されます。このフェスティバルは今年で11回目の開催、一流シェフたちの作るペルー伝統料理を目指して世界中の美食家たちがリマに駆けつけます。
ペルーは海岸地域、山岳地域、密林地域と大きく3つの地域に分かれています。海岸地域では豊富な魚介類、山岳地域アンデスではジャガイモ、トウモロコシなどの多くの野菜類、密林地域ではバナナやカカオ、パパイヤなどのフルーツと、それぞれの地域は多様な気候と土壌を背景に豊かな食文化を形成しています。祭典の名前「ミストゥーラ」とは、混合、混交という意味です。先住民、スペイン人、黒人、アジア系移民など、多様な民族の影響のもと、ペルーの現代の料理が生み出されてきました。
このフェスティバルでは、プレインカ文化を代表する「パチャマンカ(肉とイモの蒸し焼き)」の伝統料理から現代のペルー料理に至るまで、何世紀にもわたって親しまれてきたペルー料理を楽しむことができます。また、地方料理だけでなく、ペルー料理の特徴のひとつといえる、日本料理や中国料理とのフュージョン料理が味わえるのも人気です。広い会場内には、セビーチェ、ヘルシーフード、クラフトビールのブースや、ペルー名産のぶどうの蒸留酒ピスコのコーナーも設置されるので、訪問者は試食や試飲に大忙しです。
ミストゥーラの中心となるのはグランド・マーケットで、新鮮食材を扱ったファーマーズ・マーケットが催され、色とりどりのブースが立ち並びます。ペルーのバラエティに富んだ製品が売られる様子は華やかなショーウィンドーを見ているようで、ここでは食材のお買い物も可能です。ペルーの食文化は、変化に富んだ気候風土が育む豊かな食材と、移民がもたらした国際色豊かな食文化とが融合し、独自の発展を遂げてきました。多様な人種と食文化が存在するペルーは、フュージョン料理の発祥地とも言われており、ペルー料理の味が日本人になじみやすいのも魅力です。