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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 渥美 寿美
【2005年12月17日[Sat]】

ラヴェンナの鳥

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      のどかに喉を潤す鳥たち

   素朴な外観からは思いもよらない楽園が
      まばゆいばかりの輝きを放ち
  訪ねた人々をしばし幻想の世界へと誘います

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 例えば宇宙観を表わすならラピズラリの青。熟れた果実は赤々と。瑞々しく生い茂る芝は緑のグラデーションでと、一つ一つの小さなテッセラ(ガラス片)を組み合わせることにより瑞々しく表現されたラヴェンナのモザイクは、その大半が5世紀前後に作られました。

 壁に柱にドーム型の天井にと、可能な限り敷き詰められたモザイク画は圧巻としか言葉が見つかりません。差し込む光によってキラキラと輝きを放つその様は、まるで巨大な万華鏡の中に迷い込んだようです。

 ステンドグラスがそうであるように、キリスト教の教えを文字の読めない人々にも内容がわかるようにと製作されているとは言え、一体、どれほどの時間が費やされたことでしょうか。


 このモチーフはラヴェンナを代表する有名なモチーフではありますが、この壮大な「絵解き物語」の中にあってはとてもシンプルに感じるほど。

  

この色彩観や動きのあるモチーフ、そして技術を、イタリアの人々は1500年前にすでに完成させていたんだ…、と思うと、もちろん、私達日本にも素晴らしい色彩感覚と芸術を培ってきた背景があるとは言え、ただただ感服、「敵わ~ん」と思うしかありませんでした。



様々な教会や聖堂を訪ねれば訪ねてゆくほどこのシンプルなモチーフが記憶に鮮明に浮かび上がり、この旅のお土産の大半がこのピルケースに…。私は、ボール状になった仕上げパウダーを入れて使っていましたが、友人達にも中々好評だったアイテムです。

宗教観はさておいて、青々と生い茂る草に豊かに沸き出でる新鮮な水、
熟れた果実がたわわに実り、花々の咲き乱れる世界が楽園の姿だとしたら、
1500年の時を経ても私達はまだ手に出来ていないということでしょうか。

…… 参考までに …………………………………………………………………
【1枚目&4枚目】 サン・ヴィターレ聖堂 Tempio di San Vitale
【2枚目&3枚目】 ガッラ・プラチーディア霊廟 Mausoreo di Galla Placidia 
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