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ヨセミテ国立公園・バーナル&ネバダ滝トレイルその2-4日目
コンシェルジュ : 渋谷 明子
【2006年7月3日[Mon]】
ヨセミテ国立公園・バーナル&ネバダ滝トレイルその2-4日目
ネバダ滝のそばに来ると、まるでジャンボジェット機のエンジンのような轟音がした。ものすごい水量だ。
この滝のスケールの大きさに圧倒され、さらに先に進むことにした。
だんだん緑が少なくなり、岩を砕いて作った階段をゆく。
その場所にあるものを使い、必要最低限なのに、実はとても考えられた道が作られている。
かなり急な場所もあるが、そういうところは、岩の階段に滑らないように工夫がされていた。街から3時間も山を登った場所に、こんなにしっかりしたコースが維持されていることに、アメリカのすごさを感じた。さすがだ。
ネバダ滝の頂上は2000mを越す高さ。このあたりまで来ると、見える景色、感じる空気、そして、自分自身が変化してきた。
あまりに素晴らしく、この世のものとは思えぬ景色の中で、岩にへばりつくように歩く自分。
この大きな自然の中では、本当に自分はちっぽけで、雨が降ったら慌てて巣に戻るアリよりも小さな存在で、彼らが大雨で流されることがあるように、私も天災で命を落とすことになったとしても、それはしょうがないことなんだなぁ・・とか、自分はこの大きな地球という生命体の一部なのかもしれない・・とか、なんだか今まで感じたことのないような気持ちになった。
ニュージーランドの森には、妖精がいるような雰囲気があったけれど、ヨセミテには神がいる・・そう思える壮大さがあった。
(特に宗教を持っているわけでもないのに、そう思えてしまいました。)
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の中で、フロドとサムが急な階段を登るシーンがあるのだが(観た人でないとわからなくてすみません!)、まさにそんな感じの階段を行く。命がけだ。
そして、
やっとたどりついた頂上は、こんなに開けたところ!天国のように思えた。
頂上に着いた喜びで息子は走り出し、気づくと、すぐ下は断崖絶壁という場所に座っていた!あまりにびっくりして、息が出来なかった。この瞬間に寿命が5年は縮んだと思うくらい驚いた!!
左手の岩の先のほうに座っていました!(なんということ!)
本人も気づいたらしく、びっくりして戻ってきた。本当に無事でよかった。(ちなみに12歳、中学1年生です。左のほうで走って戻ってくる姿が見えますか?)
無事だったからこそ言えることかもしれないが、この「自分で気づく」ということは大切なことだと思う。こういうことは言葉で教えることはできない。自分で身を持って学んでいくことだから。
ところで、欧米の親たちは、あまり「危ない!」と言わないと感じている。危ないと思ったときは、あえて声をかけず、じっと見守る。そこで子供が怪我をしたら、学んだことになるからいいんだ、と南アフリカ人の友人が言っていた。もちろん、取り返しのつかない自体になりそうな時は、声をかける。でも、冷静に「こっちに来なさい」というだけ。
マリポサグローブを歩いたときも、崖の上の大きな岩の上に乗ってしまった子供がいた。たぶん5歳くらいだったと思う。でも、親は見てるだけ。まわりのほうがハラハラした。親に「来なさい」と言われて、無事降りたのだけど、もし「危ない!」と声をかけたら、子供はビクビクして、かえって危なかったかもしれない。
帰りは、別ルートで帰ることもできたが、またびしょぬれになりながら滝のそばを歩いて帰ったほうが楽しい!ということで、また同じルートを通り、地上に降りた。足がガクガクになった。
結局、1時間の予定が6時間になったトレイル。
今まで長い山歩きをしたい、と思えなかった私が、すっかり山好きになってしまった。
自分の足で歩いて見た景色は、車で到着して見た景色とは、全然違う。
思い返せば、数十年前、グランドキャニオンとブライスキャニオン国立公園をまわったとき、心に残ったのはブライスキャニオンだった。グランドキャニオンは、さんざん映像として見ていたから、感動が少なかったのかな、、と思った。でも、ブライスキャニオンが好きになったのは、麓まで降りて、2時間のトレイルを歩いたからだったのかもしれない。
グランドキャニオンでは時間がなくて、上から見るだけだったのだ。少しでもいいから、降りてみればよかった。
今度また行く機会があったら、グランドキャニオンの下に降りて、しっかりと歩いてみたいと思う。
このバーナル&ネバダ滝は、危ない場所もあるけれど、それを乗り越え、行く価値のあるお勧めできるトレイルです。体力のあるかたは是非、挑戦してみてください!
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ヨセミテ国立公園・バーナル&ネバダ滝トレイルその2-4日目
この滝のスケールの大きさに圧倒され、さらに先に進むことにした。
だんだん緑が少なくなり、岩を砕いて作った階段をゆく。
その場所にあるものを使い、必要最低限なのに、実はとても考えられた道が作られている。
かなり急な場所もあるが、そういうところは、岩の階段に滑らないように工夫がされていた。街から3時間も山を登った場所に、こんなにしっかりしたコースが維持されていることに、アメリカのすごさを感じた。さすがだ。
ネバダ滝の頂上は2000mを越す高さ。このあたりまで来ると、見える景色、感じる空気、そして、自分自身が変化してきた。
あまりに素晴らしく、この世のものとは思えぬ景色の中で、岩にへばりつくように歩く自分。
この大きな自然の中では、本当に自分はちっぽけで、雨が降ったら慌てて巣に戻るアリよりも小さな存在で、彼らが大雨で流されることがあるように、私も天災で命を落とすことになったとしても、それはしょうがないことなんだなぁ・・とか、自分はこの大きな地球という生命体の一部なのかもしれない・・とか、なんだか今まで感じたことのないような気持ちになった。
ニュージーランドの森には、妖精がいるような雰囲気があったけれど、ヨセミテには神がいる・・そう思える壮大さがあった。
(特に宗教を持っているわけでもないのに、そう思えてしまいました。)
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の中で、フロドとサムが急な階段を登るシーンがあるのだが(観た人でないとわからなくてすみません!)、まさにそんな感じの階段を行く。命がけだ。
そして、
やっとたどりついた頂上は、こんなに開けたところ!天国のように思えた。
頂上に着いた喜びで息子は走り出し、気づくと、すぐ下は断崖絶壁という場所に座っていた!あまりにびっくりして、息が出来なかった。この瞬間に寿命が5年は縮んだと思うくらい驚いた!!
左手の岩の先のほうに座っていました!(なんということ!)
本人も気づいたらしく、びっくりして戻ってきた。本当に無事でよかった。(ちなみに12歳、中学1年生です。左のほうで走って戻ってくる姿が見えますか?)
無事だったからこそ言えることかもしれないが、この「自分で気づく」ということは大切なことだと思う。こういうことは言葉で教えることはできない。自分で身を持って学んでいくことだから。
ところで、欧米の親たちは、あまり「危ない!」と言わないと感じている。危ないと思ったときは、あえて声をかけず、じっと見守る。そこで子供が怪我をしたら、学んだことになるからいいんだ、と南アフリカ人の友人が言っていた。もちろん、取り返しのつかない自体になりそうな時は、声をかける。でも、冷静に「こっちに来なさい」というだけ。
マリポサグローブを歩いたときも、崖の上の大きな岩の上に乗ってしまった子供がいた。たぶん5歳くらいだったと思う。でも、親は見てるだけ。まわりのほうがハラハラした。親に「来なさい」と言われて、無事降りたのだけど、もし「危ない!」と声をかけたら、子供はビクビクして、かえって危なかったかもしれない。
帰りは、別ルートで帰ることもできたが、またびしょぬれになりながら滝のそばを歩いて帰ったほうが楽しい!ということで、また同じルートを通り、地上に降りた。足がガクガクになった。
結局、1時間の予定が6時間になったトレイル。
今まで長い山歩きをしたい、と思えなかった私が、すっかり山好きになってしまった。
自分の足で歩いて見た景色は、車で到着して見た景色とは、全然違う。
思い返せば、数十年前、グランドキャニオンとブライスキャニオン国立公園をまわったとき、心に残ったのはブライスキャニオンだった。グランドキャニオンは、さんざん映像として見ていたから、感動が少なかったのかな、、と思った。でも、ブライスキャニオンが好きになったのは、麓まで降りて、2時間のトレイルを歩いたからだったのかもしれない。
グランドキャニオンでは時間がなくて、上から見るだけだったのだ。少しでもいいから、降りてみればよかった。
今度また行く機会があったら、グランドキャニオンの下に降りて、しっかりと歩いてみたいと思う。
このバーナル&ネバダ滝は、危ない場所もあるけれど、それを乗り越え、行く価値のあるお勧めできるトレイルです。体力のあるかたは是非、挑戦してみてください!
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