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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 川西 哲史
【2006年12月18日[Mon]】

オーストラリアは美しい国?

ボストンレッドソックスが、松坂に要したお金は120億円を超える。
アメリカは、一人のヒーローにつぎ込むお金は半端ではない。
アメリカのナショナリズムはここに最大の特質があるとも言える。

オーストラリアはどうか?
マイトシップ(仲間意識)、出る杭は打つ、権威を嘲笑する、平等主義、など、
この国にヒーローは要らないとでも言っているかの様な言葉ばかりが思い浮かぶ。

古い話だが、オーストラリア最初の紙幣の絵柄はと言うと、
10シリングが、ダム建設工事の様子
1ポンドが、地下で働いている坑夫の様子
10ポンドが、小麦袋を積んだ荷馬車の様子
20ポンドが、木を伐採する男の様子
・・・だったそうで、この国のヒーローはまさに労働者であったということが伺える。

今でもオージーのスピリットはそんなに変わっておらず、昔に比べて大金持ちは
増えたかもしれないが、日本で言われているような「負け組み」という枠組みに
組み込まれてしまいそうな人達がいると、救いの手が差し伸べられる。
例えば、昨今、日本には約65万人のニートが存在し社会問題にもなっているが、
オーストラリアの場合、ニートであっても国がある程度までは面倒を見てくれる。
ただ、逆にこれが、オーストラリアの社会問題ともなっているのも事実であるが、
強者が弱者を救う為に勇気を奮うことは、勝利に向かってひたすら努力・前進す
ること以上に偉大なこととして、多くの国民に評価されることなのである。
勝つこと以上に、負けないことを重視しているということだ。

アメリカとオーストラリアは、どちらも同じ先進国であり、移民によって国が成り
立っていると言うことなど、多くの共通点を持っている。
また、重文化を持たない両国は自由主義の最先端を走るということでも共通する。
しかし、お互いの国民の精神には、全く違ったナショナリズムが息づいている。

さて、同じく自由主義を標榜する我が国日本のことだが、、、
安倍内閣のキャッチフレーズは「美しい国ニッポン」。
「美しい国」とはどのような定義なのだろうか? 今回、松坂に考えさせられた。

australia
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