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Ch12 龍門石窟 洛陽
コンシェルジュ : 小宮 俊一
【2008年4月25日[Fri]】
Ch12 龍門石窟 洛陽
毎年、淡紅柴色の春告花「カタクリ」が咲く頃になると美味いタラの芽が食べたくなる。緑のそよ風に乗り、もいわやまの方向からだろうか、天ぷらの香ばしい匂いが漂ってくる。8年前に訪れた4泊5日の中国の古都洛陽の旅の夕食にでた山菜の掻き揚げを思い出した。
洛陽は、中国歴代王朝の首都である。東周時代、洛邑(らくゆう)と呼ばれ首都になったことから始まる。後漢王朝に一時、首都が西部にある長安に移ったが、その後、曹魏・西晋・北魏・隋・後唐の首都に返り咲いた。また、唐は洛陽を副都としている。
我々は、西安からスルーガイドの楡さんと、長距離急行列車にのり、6時間もかけて洛陽を訪れた。中国3大石窟のうちの一つ、龍門石窟が観光目的の一つだったからである。龍門石窟は洛陽駅からバスで30分の郊外にある。洛陽の街は自転車の洪水、道路も舗装されておらず埃っぽい。建物も近代的なものは少なく、これが本当に中国四千年の都だった大都市なのかなと懐疑的になる。
龍門石窟は、2000年にユネスコの世界遺産に登録された。北魏時代に首都を洛陽に移したころから建築がはじまった。この頃から唐中期まで、およそ3万体の仏像が石窟の中に作られた。龍門石窟観光用の駐車場は、石窟入口のかなり手前に作られている。バスを降り、龍門の出入り口まで10分ほど歩く。入り口には「龍門石窟」と看板が掲げられた立派な石の門がある。
入場すると、右手に階段があり、途中には立派なトイレがある。中国はトイレが汚いから行くのが嫌、と昔は言われていたが、どうしてどうして、この頃の中国観光各地のトイレは水洗で、清潔である。
川岸の壁面をくり抜いて作られた龍門石窟。だいぶイメージとかけ離れて穴だらけの壁という感じであるが、洛陽唯一の観光名所となっている。
奥まった場所に行くと奈良の大仏とそっくりの顔をした石仏が正面に見える。同じ系譜の大仏であり、こちらの方が時代的には、先に彫られていたそうである。
洛陽で他の観光のお薦めは無いのですか?とガイドの楡さんに聞いたら白居易の墓くらいしかない、との事で、じゃあ行ってみよう、見てみようと、白居易の墓参りを兼ねて小高い丘に登った。まあ、屋根も付いていて見栄えがする墓である。
その日の夕食に食べたのが、山菜の天ぷら風、掻き揚げである。味は覚えていないが、日本の山菜天ぷらのルーツのようだということだけは印象に残っている。最終日の朝、西安空港でガイドの楡さんに別れの挨拶の中で、また来るから宜しく、覚えておいてね、と記念写真を撮ってもらった。真面目な添乗員風に写っているかな?
それにしても洛陽に空港が無いのは行程を組む旅程管理者泣かせである。西安からの列車の旅も良いのだが、1等軟座といえども片道6時間以上もかかり、お尻が痛くなるほど、中国旅行とは体力的に厳しい国である。(完)
中国・和食ルーツ探訪の旅。お問い合わせはこちらまで
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Ch12 龍門石窟 洛陽
洛陽は、中国歴代王朝の首都である。東周時代、洛邑(らくゆう)と呼ばれ首都になったことから始まる。後漢王朝に一時、首都が西部にある長安に移ったが、その後、曹魏・西晋・北魏・隋・後唐の首都に返り咲いた。また、唐は洛陽を副都としている。
我々は、西安からスルーガイドの楡さんと、長距離急行列車にのり、6時間もかけて洛陽を訪れた。中国3大石窟のうちの一つ、龍門石窟が観光目的の一つだったからである。龍門石窟は洛陽駅からバスで30分の郊外にある。洛陽の街は自転車の洪水、道路も舗装されておらず埃っぽい。建物も近代的なものは少なく、これが本当に中国四千年の都だった大都市なのかなと懐疑的になる。
龍門石窟は、2000年にユネスコの世界遺産に登録された。北魏時代に首都を洛陽に移したころから建築がはじまった。この頃から唐中期まで、およそ3万体の仏像が石窟の中に作られた。龍門石窟観光用の駐車場は、石窟入口のかなり手前に作られている。バスを降り、龍門の出入り口まで10分ほど歩く。入り口には「龍門石窟」と看板が掲げられた立派な石の門がある。
入場すると、右手に階段があり、途中には立派なトイレがある。中国はトイレが汚いから行くのが嫌、と昔は言われていたが、どうしてどうして、この頃の中国観光各地のトイレは水洗で、清潔である。
川岸の壁面をくり抜いて作られた龍門石窟。だいぶイメージとかけ離れて穴だらけの壁という感じであるが、洛陽唯一の観光名所となっている。
奥まった場所に行くと奈良の大仏とそっくりの顔をした石仏が正面に見える。同じ系譜の大仏であり、こちらの方が時代的には、先に彫られていたそうである。
洛陽で他の観光のお薦めは無いのですか?とガイドの楡さんに聞いたら白居易の墓くらいしかない、との事で、じゃあ行ってみよう、見てみようと、白居易の墓参りを兼ねて小高い丘に登った。まあ、屋根も付いていて見栄えがする墓である。
その日の夕食に食べたのが、山菜の天ぷら風、掻き揚げである。味は覚えていないが、日本の山菜天ぷらのルーツのようだということだけは印象に残っている。最終日の朝、西安空港でガイドの楡さんに別れの挨拶の中で、また来るから宜しく、覚えておいてね、と記念写真を撮ってもらった。真面目な添乗員風に写っているかな?
それにしても洛陽に空港が無いのは行程を組む旅程管理者泣かせである。西安からの列車の旅も良いのだが、1等軟座といえども片道6時間以上もかかり、お尻が痛くなるほど、中国旅行とは体力的に厳しい国である。(完)
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