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古代への情熱☆ギリシャ×ローマ
コンシェルジュ : 菅澤 彰子
【2008年6月9日[Mon]】
古代への情熱☆ギリシャ×ローマ
さっきまでの青空が一転して
大粒の雨がまた降り出した
イタリアの学校は夏休みに入ったというのに
いまだにトスカーナの陽気は安定しない
「地中海晴れ」の続く乾いた夏の空気が
まだ感じられないのだ
先日、遠出した朝は
ひどいどしゃぶりの雨だった
その日、私はローマへ行かねばならず
仕方なく列車に乗った
Inter City Plus という列車で
普通のインテルシティよりハイランクの
全席指定の急行「インテルシティ+」だ
私はうっかり「+」を英語風に
「インテルシティ・プラス」と言ってしまった
ところが
「インテルシティ・プルス」なんだそうだ
日本人は英語を先に習ってしまうから
こんなときは障害になる
彼らはラテン語式に言うのだ
ラテン語とは
古代ローマ人たちの言語である
「プルス」に乗って窓際の席に着いてみると
向かいには女の人が座っていた
見るからに”キャリア風”だ
ポータブル・コンピューターを開いて
キーボードを忙しく叩いていた
トスカーナも南部に入り
ラッツィオへの境界線にさしかかるころ
雨が止んだ
ローマはイタリアの首都であり
ラッツィオの州都である
6月2日は共和国記念日で
共和国としてのイタリアは
62歳の誕生日を迎えようとしていた
日本と同じく敗戦国のイタリアは
やはり極度の貧困の中から
立ち上がってきたのである
戦後の映像からは
とても今のイタリアは想像できない
”キャリア風”の女性は
相変わらず忙しそうだったが
自然の流れとして言葉を交わすことになった
彼女の話し方はどことなく品があった
どう考えてみても
私よりひと回り以上は年上の女性だった
話しているうちにこの人は
大学でギリシャ語を教えていることがわかった
彼らのいうギリシャ語とは
古代ギリシャ人たちの言語のことである
既刊の著書も数冊あるらしい
私は、古代ギリシャ世界に関して
いくつかの質問をした
なるほど!という答えが返ってきた
さすがだ☆
彼女の専門は
古代ギリシャ語および文学である
私の専門は
建築および都市である
私たちはお互いの意見を交換し合いながら
関心のリンクするところがあることを確認しあった
地中海とは、そもそもそういう世界だ☆
なぜ私が旅行の仕事にまで関わるのかを話すと
その真意をすぐさま理解してくれて
"Bel lavoro!(素晴らしい仕事ね)"と言った
先月、彼女の新しい本が
トスカーナの出版社から出た
ちょっと変わった趣向の本だ☆
新聞"la Repubblica"『ラ・レップーブリカ』の
文化面に取り上げられたくらいだから
きっと話題の新刊なのだろう
その名も「共和国」という名の
この国の最有力紙に載ったという記事を
彼女は見せてくれた
別のところへ載せるという
原稿も読ませてくれた
この本の主旨を
熱意を持って語ってくれた
どういった経緯で
この本が生まれてきたのかも話してくれた
今回のローマ行きは
彼女にとって特別なものだった
「今日はね、私の先生に会いに行くの・・・」
列車から降りる寸前
彼女は打ち明けるように切り出した
肝心の新刊本を見せてくれなかった理由は
そういうわけだった
プレゼント用にラッピングしてあって
あけられない状態だったのだ
「見せてあげられなくて残念だけど・・・」
と何度も言っていたが
恩師へ仕事の成果のご報告となれば当然だ
それにしても
「私の先生」って・・・
"il mio professore"
「イル・ミオ・プロフェッソーレ」
と言ったから男性のはずだ
もし女性だったら
"la mia professoressa"
「ラ・ミア・プロフェッソレッサ」になる
かなりのご高齢だろう
それはこちらから聞かずとも
彼女のほうから教えてくれた
"Ha novantasette anni."
「ア・ノヴァーンタセッテ・アーンニ」
噛み締めるように言った
「97歳」
超・高齢者である☆
ところが、驚きはそこで終わらない
少女のような笑みを浮かべて
彼女はこう続けた
「まだ研究を続けてらしゃるのよ」
!!!
なんと現役の学者である☆
列車はローマ市内に入り
私より一つ手前の駅で彼女は降りた
そのとき車窓の外には青空が広がり
ヴァチカンのサンピエトロのクーポラ(円蓋)が
美しく見えていた
「あなたにお会いできて本当によかったわ」
と彼女は言ってくれて
私たちは硬く握手して別れた
彼女が列車を降りてから
私はふと無口になってひとり考えた
ヨーロッパ文化の源流といわれる
地中海の古代のことを
古代ギリシャとは
そんなにも深遠なる世界なのか?
そして・・・
情熱の97歳とは
いったいどんな人だろう?
そうする間に「プルス」は
ローマのテルミニ駅に着いた
* * *
古代ギリシャ文明が古代ローマに受け継がれ
ヨーロッパの基礎となる土台が築かれたといわれる
その源流は脈々と現代に息づく
なにも当時の遺跡のことばかりを
さしていうのではない
たとえば・・・
ローマ観光定番中の定番、「トレヴィの泉」
by Akiko Sugesawa
ずっと時代が下ったバロック期のこれにだって
実は古代世界が関連している
トレヴィの泉について何か書こうとすれば
本一冊分くらいにはなるだろう
美しいがゆえにもてはやされているわけでなく
古代の流れを受け継ぐからこそ
ローマの定番として君臨できるわけだ
その美しさ
やっぱりタダモノではない☆
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古代への情熱☆ギリシャ×ローマ
さっきまでの青空が一転して
大粒の雨がまた降り出した
イタリアの学校は夏休みに入ったというのに
いまだにトスカーナの陽気は安定しない
「地中海晴れ」の続く乾いた夏の空気が
まだ感じられないのだ
先日、遠出した朝は
ひどいどしゃぶりの雨だった
その日、私はローマへ行かねばならず
仕方なく列車に乗った
Inter City Plus という列車で
普通のインテルシティよりハイランクの
全席指定の急行「インテルシティ+」だ
私はうっかり「+」を英語風に
「インテルシティ・プラス」と言ってしまった
ところが
「インテルシティ・プルス」なんだそうだ
日本人は英語を先に習ってしまうから
こんなときは障害になる
彼らはラテン語式に言うのだ
ラテン語とは
古代ローマ人たちの言語である
「プルス」に乗って窓際の席に着いてみると
向かいには女の人が座っていた
見るからに”キャリア風”だ
ポータブル・コンピューターを開いて
キーボードを忙しく叩いていた
トスカーナも南部に入り
ラッツィオへの境界線にさしかかるころ
雨が止んだ
ローマはイタリアの首都であり
ラッツィオの州都である
6月2日は共和国記念日で
共和国としてのイタリアは
62歳の誕生日を迎えようとしていた
日本と同じく敗戦国のイタリアは
やはり極度の貧困の中から
立ち上がってきたのである
戦後の映像からは
とても今のイタリアは想像できない
”キャリア風”の女性は
相変わらず忙しそうだったが
自然の流れとして言葉を交わすことになった
彼女の話し方はどことなく品があった
どう考えてみても
私よりひと回り以上は年上の女性だった
話しているうちにこの人は
大学でギリシャ語を教えていることがわかった
彼らのいうギリシャ語とは
古代ギリシャ人たちの言語のことである
既刊の著書も数冊あるらしい
私は、古代ギリシャ世界に関して
いくつかの質問をした
なるほど!という答えが返ってきた
さすがだ☆
彼女の専門は
古代ギリシャ語および文学である
私の専門は
建築および都市である
私たちはお互いの意見を交換し合いながら
関心のリンクするところがあることを確認しあった
地中海とは、そもそもそういう世界だ☆
なぜ私が旅行の仕事にまで関わるのかを話すと
その真意をすぐさま理解してくれて
"Bel lavoro!(素晴らしい仕事ね)"と言った
先月、彼女の新しい本が
トスカーナの出版社から出た
ちょっと変わった趣向の本だ☆
新聞"la Repubblica"『ラ・レップーブリカ』の
文化面に取り上げられたくらいだから
きっと話題の新刊なのだろう
その名も「共和国」という名の
この国の最有力紙に載ったという記事を
彼女は見せてくれた
別のところへ載せるという
原稿も読ませてくれた
この本の主旨を
熱意を持って語ってくれた
どういった経緯で
この本が生まれてきたのかも話してくれた
今回のローマ行きは
彼女にとって特別なものだった
「今日はね、私の先生に会いに行くの・・・」
列車から降りる寸前
彼女は打ち明けるように切り出した
肝心の新刊本を見せてくれなかった理由は
そういうわけだった
プレゼント用にラッピングしてあって
あけられない状態だったのだ
「見せてあげられなくて残念だけど・・・」
と何度も言っていたが
恩師へ仕事の成果のご報告となれば当然だ
それにしても
「私の先生」って・・・
"il mio professore"
「イル・ミオ・プロフェッソーレ」
と言ったから男性のはずだ
もし女性だったら
"la mia professoressa"
「ラ・ミア・プロフェッソレッサ」になる
かなりのご高齢だろう
それはこちらから聞かずとも
彼女のほうから教えてくれた
"Ha novantasette anni."
「ア・ノヴァーンタセッテ・アーンニ」
噛み締めるように言った
「97歳」
超・高齢者である☆
ところが、驚きはそこで終わらない
少女のような笑みを浮かべて
彼女はこう続けた
「まだ研究を続けてらしゃるのよ」
!!!
なんと現役の学者である☆
列車はローマ市内に入り
私より一つ手前の駅で彼女は降りた
そのとき車窓の外には青空が広がり
ヴァチカンのサンピエトロのクーポラ(円蓋)が
美しく見えていた
「あなたにお会いできて本当によかったわ」
と彼女は言ってくれて
私たちは硬く握手して別れた
彼女が列車を降りてから
私はふと無口になってひとり考えた
ヨーロッパ文化の源流といわれる
地中海の古代のことを
古代ギリシャとは
そんなにも深遠なる世界なのか?
そして・・・
情熱の97歳とは
いったいどんな人だろう?
そうする間に「プルス」は
ローマのテルミニ駅に着いた
* * *
古代ギリシャ文明が古代ローマに受け継がれ
ヨーロッパの基礎となる土台が築かれたといわれる
その源流は脈々と現代に息づく
なにも当時の遺跡のことばかりを
さしていうのではない
たとえば・・・
ローマ観光定番中の定番、「トレヴィの泉」
by Akiko Sugesawa
ずっと時代が下ったバロック期のこれにだって
実は古代世界が関連している
トレヴィの泉について何か書こうとすれば
本一冊分くらいにはなるだろう
美しいがゆえにもてはやされているわけでなく
古代の流れを受け継ぐからこそ
ローマの定番として君臨できるわけだ
その美しさ
やっぱりタダモノではない☆
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