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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 川西 哲史
【2005年7月13日[Wed]】

シドニーは食い道楽には楽しい街だ

10年前、モダンオーストラリア料理と聞くとまずい代名詞だと思っていたが
ここ数年このジャンルが世界のグルメの間で認知され、考えは逆になった。

日本ではあまり知られていないが、現在シドニーやメルボルンは、パリや
ニューヨークに引けを取らない世界的なグルメタウンとなり、各国から食通
達が訪れるようになった。
シドニーで一番有名な日本人オーナーシェフのレストラン等は、アメリカの
大富豪がチャーター機を飛ばして食べに来ることもある。

もともと料理に興味の無かったオージーだったが、何でも受け入れる土壌
だけはあった。そして日本を含めたアジアからの多くの移民が食の水準を
引上げたと言われている。

東洋と西洋の料理手法をフュージョンさせたこの料理の定義は広範である。
食の歴史が浅い移民の国で、自然とコラボレートされたこの料理は、人の
真似が嫌いで自己主張の強いオージー達が確立した新たな料理ジャンルだ。

例えばシンガポール出身のフレンチ料理シェフが日本料理を勉強して創作
すれば、既成概念にとらわれない斬新なモダンオーストラリア料理ができる。
そしてその種類は無限である。もちろん気候の変化に富んだオーストラリア
での多様な食材があってこそ世界レベルとなりうる。

「フレンチでもイタリアンでもない。モダンオーストラリアだ!」オージーは叫ぶ。

オーストラリアを旅するとその土地独特のモダンオーストラリアに出会える。
アジア系移民の多いダーウィンとイタリアやギリシャ移民の多いメルボルン
では、それぞれの影響を受けて異なるテイストになっている。

モダンオーストラリアを試してみると、この国の寛大さが味わえることだろう。

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