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ナポリを見てから死ね ピッツァ発祥の世界遺産の都市
コンシェルジュ :
山岸 玲子
【2011年8月25日[Thu]】
ナポリを見てから死ね ピッツァ発祥の世界遺産の都市
ナポリ観光は、ポンペイ遺跡ツアーの“ついで”に、車窓観光で終わってしまいがちですが、世界遺産に指定されている歴史地区は見どころが多く、ナポリを下車観光しないのはもったいない!というわけでナポリへ行ってきました。
ヴェスーヴィオ火山を背景にしたナポリ湾の景色は、「ナポリを見てから死ね」と言われるほど風光明媚で、世界で最も美しい3つの港町のひとつと数えられています。
港町ならではの新鮮でおいしいシーフードや、本場のピッツァが味わえるのもナポリの魅力のひとつです。イタリアでは定番、また日本でもおなじみの「ピッツァ・マルゲリータ」は、ナポリが発祥の地と言われています。
ポンペイ遺跡ツアーやカプリ島ツアーの集合場所になっているベヴェレッロ埠頭付近には、4つ星以上の高級ホテルや海沿いのプロムナードもあり、かつてのナポリ王国を彷彿とさせる高級感漂う地区。
私が行った当時、ナポリのゴミ放置問題が話題となっていて、イタリアのみならず日本でもテレビで報道されたようでしたが、実際行ってみたところ、このベヴェレッロ埠頭付近の観光地区に限っては、高級ホテルの建ち並ぶ地区だけあって非常に清潔でした。テレビで放映されていたゴミであふれた道端は、住宅街地区なのかもしれません。
この地区の主な見どころを挙げます。
プレビシート広場 Piazza del Plebiscito
かつて式典や祭りなどのイベントに使われていた、ナポリで一番大きい広場。広場にあるサン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂 Basilica di S. F. Di Paola は、ローマのパンテオンに似ています。
王宮 Palazzo Reale
サン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂の向かい側にあります。外観は写真で見るより更に寂れた感じですが、内部は王宮歴史的住居博物館になっていて、18世紀当時の大変豪華な室内装飾を見ることができます。
サンタ・ルチア通り
プレビシート広場脇の坂道を下った、海岸沿いのプロムナード。5つ星のデラックス・ホテルが建ち並ぶ散歩道となっています。
ヌォーヴォ城(アンジュー家の城)Castel Nuovo (Maschio Angioino)
1284年に、当時ナポリを支配していたアンジュー家の新しい城として建てられたもの。内部には、市立美術館があります。
ウンベルト1世のガッレリア Galleria Umberto I
ミラノのガッレリアを模して造られたそうです。ガッレリアから出ているトレド通り Via Toledo には様々なショップや飲食店が並び、観光客や地元民でにぎわう通りです。
卵城 Castel dell’Ovo
12世紀にノルマン王によって建てられた城。四角い形なのに、なぜか「卵城」という呼び名。城の基礎部分に埋め込まれた卵が割れると、町も城も滅びるという伝説に由来するそうです。
観光の定番であるポンペイ遺跡の見学をなさる方は、ポンペイとエルコラーノ遺跡の発掘品のオリジナルが収蔵されている、
国立考古学博物館
(最寄りの地下鉄駅はムゼオMuseo)を見学するのもいいと思います。
※館内は、写真撮影禁止のため写真はありません。
ポンペイやエルコラーノ遺跡にある彫刻などはレプリカで、オリジナルは風雨による損傷を避けるため、この博物館に収められています。
他には、ナポリ湾と旧市街の素晴らしい景色が眺められる、ヴォメロの丘にある
サンテルモ城
もお勧めです。
サンテルモ城へは、上記の国立考古学博物館のある地下鉄駅ムゼオMuseoから、地下鉄1号線に乗りヴァンヴィテッリ広場Piazza Vanvitelli駅で下車、駅から坂を行った途中にあるエスカレーターを利用すると楽です。
ナポリの下町「
スパッカ・ナポリ Spacca Napoli
」には、大聖堂(ドゥオモ Duomo )を始め、サンタ・キアラ教会 Santa Chiara、ジェズ・ヌォーヴォ Gesu Nuovo 教会など様々な教会が建ち並ぶ観光名所となっています。
ドゥオモは殉教したナポリの守護聖人ジェンナーロが祀られた大聖堂で、小さいな壺に収められた聖ジェンナーロの血液が毎年5月の第1土曜日、9月19日、12月16日に液状化すると言わています。
この奇跡が起こらない年は、ナポリに大災害が降りかかると言われていることから、毎年この日にはたくさんの人が液状化する血液を見にドゥオモを訪れます。
サンタ・キアラ教会は、マヨルカ焼きの美しい回廊で有名です。
かつてスパッカ・ナポリは、スリや引ったくりが多発する危険な地区と言われていましたが、ナポリの歴史地区が世界遺産に指定されてからは観光客があふれる人気の観光地区となり、警察官が常に巡回するようになりました。
ナポリと言えば、ピッツァを忘れてはいけません。トマトの赤、モッツァレッラチーズの白、バジリコの緑でイタリア国旗をイメージした「ピッツァ・マルゲリータ」は、イタリア全国、どこのピッツェリアでも絶対ある定番中の定番。
このピッツァ・マルゲリータ発祥のピッツェリア、
ピッツェリア・ブランディPizzeria Brandi
が、プレビシート広場Piazza del Plebiscito近くにあります。創業1780年の老舗で、クリントン元大統領や俳優の石田純一も訪れたことがあるとか。店内には、日本のデパート伊勢丹からの日本語の感謝状が飾られていました。
他にも、揚げピッツァで有名な
ディ・マッテオDi Matteo
など、ナポリには町のいたるところにピッツェリアがあります。
食後のデザートにはナポリのお菓子を。ババ Baba というリキュール漬けのスポンジケーキや、マフィアも愛したというカプリ風チョコレートケーキ Torta Caprese トルタ・カプレーゼが代表的なものです。
カプリ風チョコレートケーキには小麦粉の代わりにアーモンドパウダーが使われています。
ナポリの食事は、新鮮なシーフードと本場のピッツァで決まり!ですね。
ナポリへは、イタリアの新幹線と言われる「アルタ・ヴェロチタ Alta Velocita」でローマから約片道1時間なので、ローマから日帰りもできます。
ナポリの治安が心配という人もいるかと思いますが、私が散策したベヴェレッロ埠頭付近、ガッレリア近くのにぎやかなトレド通り、国立考古学博物館付近は、特に危険な雰囲気は感じませんでした。
(とはいえ、高価な時計やアクセサリーを身につけない、リュックは背中に持たない、バッグは斜め掛け、多額の現金を持ち歩かないという、最低限の注意は必要です。ナポリに限りませんが。)
但し、スパッカ・ナポリ同様、ナポリの下町として知られているトレド通りの西側にあるスペイン地区は、治安があまり良くありません。この地区には入らないで、トレド通りから眺めるだけにとどめた方がいいと思います。
下町散策を楽しむなら、スパッカ・ナポリで十分です。また、ナポリに限りませんが早朝、深夜など、人通りの少ない時間帯は、外出しない方が無難です。
ナポリの観光地区は、大きく分けてサンタ・ルチア地区とスパッカ・ナポリ地区に分かれ、広範囲に多くの見どころが点在しています。
そのためローマから日帰りでもいいですが、時間が許せばナポリに1~2泊しての観光がお勧めです。
ナポリは「観光バスから車窓観光」ではなく、是非、実際に歩いて、観て、食べてみて下さい。日本語ガイド付のプライベート市内観光ツアーもあります。
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ナポリを見てから死ね ピッツァ発祥の世界遺産の都市
ナポリ観光は、ポンペイ遺跡ツアーの“ついで”に、車窓観光で終わってしまいがちですが、世界遺産に指定されている歴史地区は見どころが多く、ナポリを下車観光しないのはもったいない!というわけでナポリへ行ってきました。
ヴェスーヴィオ火山を背景にしたナポリ湾の景色は、「ナポリを見てから死ね」と言われるほど風光明媚で、世界で最も美しい3つの港町のひとつと数えられています。
港町ならではの新鮮でおいしいシーフードや、本場のピッツァが味わえるのもナポリの魅力のひとつです。イタリアでは定番、また日本でもおなじみの「ピッツァ・マルゲリータ」は、ナポリが発祥の地と言われています。
ポンペイ遺跡ツアーやカプリ島ツアーの集合場所になっているベヴェレッロ埠頭付近には、4つ星以上の高級ホテルや海沿いのプロムナードもあり、かつてのナポリ王国を彷彿とさせる高級感漂う地区。
私が行った当時、ナポリのゴミ放置問題が話題となっていて、イタリアのみならず日本でもテレビで報道されたようでしたが、実際行ってみたところ、このベヴェレッロ埠頭付近の観光地区に限っては、高級ホテルの建ち並ぶ地区だけあって非常に清潔でした。テレビで放映されていたゴミであふれた道端は、住宅街地区なのかもしれません。
この地区の主な見どころを挙げます。
かつて式典や祭りなどのイベントに使われていた、ナポリで一番大きい広場。広場にあるサン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂 Basilica di S. F. Di Paola は、ローマのパンテオンに似ています。
サン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂の向かい側にあります。外観は写真で見るより更に寂れた感じですが、内部は王宮歴史的住居博物館になっていて、18世紀当時の大変豪華な室内装飾を見ることができます。
プレビシート広場脇の坂道を下った、海岸沿いのプロムナード。5つ星のデラックス・ホテルが建ち並ぶ散歩道となっています。
1284年に、当時ナポリを支配していたアンジュー家の新しい城として建てられたもの。内部には、市立美術館があります。
ミラノのガッレリアを模して造られたそうです。ガッレリアから出ているトレド通り Via Toledo には様々なショップや飲食店が並び、観光客や地元民でにぎわう通りです。
12世紀にノルマン王によって建てられた城。四角い形なのに、なぜか「卵城」という呼び名。城の基礎部分に埋め込まれた卵が割れると、町も城も滅びるという伝説に由来するそうです。
観光の定番であるポンペイ遺跡の見学をなさる方は、ポンペイとエルコラーノ遺跡の発掘品のオリジナルが収蔵されている、国立考古学博物館(最寄りの地下鉄駅はムゼオMuseo)を見学するのもいいと思います。
※館内は、写真撮影禁止のため写真はありません。
ポンペイやエルコラーノ遺跡にある彫刻などはレプリカで、オリジナルは風雨による損傷を避けるため、この博物館に収められています。
他には、ナポリ湾と旧市街の素晴らしい景色が眺められる、ヴォメロの丘にあるサンテルモ城もお勧めです。
サンテルモ城へは、上記の国立考古学博物館のある地下鉄駅ムゼオMuseoから、地下鉄1号線に乗りヴァンヴィテッリ広場Piazza Vanvitelli駅で下車、駅から坂を行った途中にあるエスカレーターを利用すると楽です。
ナポリの下町「スパッカ・ナポリ Spacca Napoli 」には、大聖堂(ドゥオモ Duomo )を始め、サンタ・キアラ教会 Santa Chiara、ジェズ・ヌォーヴォ Gesu Nuovo 教会など様々な教会が建ち並ぶ観光名所となっています。
ドゥオモは殉教したナポリの守護聖人ジェンナーロが祀られた大聖堂で、小さいな壺に収められた聖ジェンナーロの血液が毎年5月の第1土曜日、9月19日、12月16日に液状化すると言わています。
この奇跡が起こらない年は、ナポリに大災害が降りかかると言われていることから、毎年この日にはたくさんの人が液状化する血液を見にドゥオモを訪れます。
サンタ・キアラ教会は、マヨルカ焼きの美しい回廊で有名です。
かつてスパッカ・ナポリは、スリや引ったくりが多発する危険な地区と言われていましたが、ナポリの歴史地区が世界遺産に指定されてからは観光客があふれる人気の観光地区となり、警察官が常に巡回するようになりました。
ナポリと言えば、ピッツァを忘れてはいけません。トマトの赤、モッツァレッラチーズの白、バジリコの緑でイタリア国旗をイメージした「ピッツァ・マルゲリータ」は、イタリア全国、どこのピッツェリアでも絶対ある定番中の定番。
このピッツァ・マルゲリータ発祥のピッツェリア、ピッツェリア・ブランディPizzeria Brandiが、プレビシート広場Piazza del Plebiscito近くにあります。創業1780年の老舗で、クリントン元大統領や俳優の石田純一も訪れたことがあるとか。店内には、日本のデパート伊勢丹からの日本語の感謝状が飾られていました。
他にも、揚げピッツァで有名なディ・マッテオDi Matteoなど、ナポリには町のいたるところにピッツェリアがあります。
食後のデザートにはナポリのお菓子を。ババ Baba というリキュール漬けのスポンジケーキや、マフィアも愛したというカプリ風チョコレートケーキ Torta Caprese トルタ・カプレーゼが代表的なものです。
カプリ風チョコレートケーキには小麦粉の代わりにアーモンドパウダーが使われています。
ナポリの食事は、新鮮なシーフードと本場のピッツァで決まり!ですね。
ナポリへは、イタリアの新幹線と言われる「アルタ・ヴェロチタ Alta Velocita」でローマから約片道1時間なので、ローマから日帰りもできます。
ナポリの治安が心配という人もいるかと思いますが、私が散策したベヴェレッロ埠頭付近、ガッレリア近くのにぎやかなトレド通り、国立考古学博物館付近は、特に危険な雰囲気は感じませんでした。
(とはいえ、高価な時計やアクセサリーを身につけない、リュックは背中に持たない、バッグは斜め掛け、多額の現金を持ち歩かないという、最低限の注意は必要です。ナポリに限りませんが。)
但し、スパッカ・ナポリ同様、ナポリの下町として知られているトレド通りの西側にあるスペイン地区は、治安があまり良くありません。この地区には入らないで、トレド通りから眺めるだけにとどめた方がいいと思います。
下町散策を楽しむなら、スパッカ・ナポリで十分です。また、ナポリに限りませんが早朝、深夜など、人通りの少ない時間帯は、外出しない方が無難です。
ナポリの観光地区は、大きく分けてサンタ・ルチア地区とスパッカ・ナポリ地区に分かれ、広範囲に多くの見どころが点在しています。
そのためローマから日帰りでもいいですが、時間が許せばナポリに1~2泊しての観光がお勧めです。
ナポリは「観光バスから車窓観光」ではなく、是非、実際に歩いて、観て、食べてみて下さい。日本語ガイド付のプライベート市内観光ツアーもあります。