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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 渥美 寿美
【2005年9月13日[Tue]】

広島県>安芸の宮島>雨に抱かれて眠る鹿

紅葉と鹿
 小雨に洗われる紅葉の下で、観光客の喧騒から離れるように一頭の鹿が休んでいました。

 11月中旬と言えど、10月の気候といわれていたこの日。小雨になでられ微かに揺れる紅葉と土に染み入る雨の音が鹿を包む風景は、「音無き音が包み込む静寂」と言うにふさわしく、そばを流れる小川の音は、まろやかなマリンバの低音のようにまどろみ誘うことでしょう。





 観光するなら晴れやかな日がいいけれど、小雨交じりの散策も、普段目にすることのない風景に出会えたりするので、結構私は好き。

鹿
 「観光地の鹿=奈良公園の(凶暴な)鹿」と刷り込まれている関西人にとって、野放しの鹿のお出迎えは、思わず冷や汗、後ずさりモノでしたが、ここの鹿さんたちは、とってものんびりムードなので心配は無用でした。

 さて、胸を撫で下ろすと、早速鹿さんたちに混じって厳島神社へ。途中、ササッと砂地を踏む音がしたので振り返ってみると、2頭の鹿ががぶり四つ…ではなく、ツノを絡ませて戦闘体勢に入っているではありませんか。土俵代わりに人だかりもできています。

戦う鹿

 地面につきそうなくらい頭を下げて静かに間合いを取り、一瞬の好機を狙って激しくツノで揺さぶりをかけ、また、振り回されないように足で踏ん張る踏ん張る…。
 
 間合いをとっている左の鹿の目が180度くるりんと後ろに動き、カメラを構えている私と目があったのは、そんな緊迫感に包まれた中での一瞬のことでした。

 「怖~」…。
そう言えば、草食動物って前後に目が動くんですよね。動物レベルでは3秒以上目が合うと戦いが始まるって言うし、「間違ってもこっちに走ってこないでね」、と思わずにはいられませんでした。

◆◇◆◇◆

全般


 太古の時代から、霊気の感じる景観として島そのものが神として信仰の対象になっていた宮島は、平清盛の時代には平家一族の拝するところとなり、京都からも皇族、貴族が訪れることによって当時の平安文化が積極的に取り入れられてゆき、平家滅亡後も源氏一門に厚遇されるなど、折にふれ、歴史の表舞台に登場してきました。



 宮島へ向かうフェリーは数社ありますが、JRのフェリーは宮島へアプローチする際、大鳥居の近くにまで寄ってくれますので、往路はこちらを利用する方が良いと思います。

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