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黄金の10月
コンシェルジュ :
中島 美弥子
【2005年10月9日[Sun]】
黄金の10月
日々 鮮やかに、そして にぎやかに 色とりどり
彩どられていく街, とりまく自然。
冬の足跡がかすかに聞こえながらも、
目を楽しませてくれる美しい季節、秋。
日本より一足先にはじまるドイツの紅葉。
生えている木立にもよるのか どちらかといえば
紅色より黄色が目立ち【 黄葉】に近い色合いだ。
ただ、こちらでは、紅葉を鑑賞する習慣がない。
あえて、出かけて鑑賞しようという発想がないらしい。
とっても綺麗なだけに、不思議だ。
これには天候も大きく影響している。
日本の秋の日々は爽やかで、うららかで穏やかな日々、
こちらでは、気温も低くなり、冷たい雨の日が多くなる。
風も強く冷たく、お正月の象徴である凧上げが、
ここでは秋の子供の遊び。
日もぐんと短くなり、空はグレイがかる日が多くなる。
かえって重厚な欧州らしさが感じられ哀愁漂う秋がお楽しみ頂ける。
そんなドイツの秋にも、
10月には美しい秋晴れの日がたまに訪れる。
その太陽の恵みを受けた美しい日は、
ゴールドナーオクトーバー (goldener Oktober) =黄金の10月
と呼ばれ、毎年10月に何日かやってくる。
気温も上昇し、青空が広がり 太陽の光がまぶしく明るい。
こんな温かい貴重な日を楽しまなければと、誰もが外へ繰り出して行く。
そう、こちらでは、紅葉の美しさよりも、太陽に誘われる。
昔、南ドイツに住むドイツ人が、太陽に照らされた紅や黄色に
染まった葉が金色に見えたことから、この表現を使いはじめ、
今現在も10月の秋晴れを象徴する言葉として、広く使われている。
11月に入ると、厚い雲に覆われ太陽が顔をのぞかせることも
滅多になくなるので、10月にたまに訪れるそんな日が
とっても貴重なのだ。
天気がぱっとしないドイツでは、必然的に家の中で過ごすことが
多くなり、玄関先や室内を季節の色で彩どり楽しむ。
”居心地のよさ”を追求し、衣食住の中では、【住】が 最重要の文化。
倹約家の彼らも、インテリアや家具にはお金をかけることはいとわない。
あまり外見おしゃれではない女性も、
家の中を飾るインテリアのセンスはピカイチだ。
どこのお宅にお邪魔をしてもそれぞれの趣味と個性で
季節感がとりいれられとても整然としている。
子供がいようが、働いていようが、1部屋の狭いアパートだろうが、
快適に過ごすための労力は惜しまない。
私も何度もマネてはみたが、とてもおいつけない。
あっというまに季節が巡るので、こまめに室内の装飾を変える労力が
楽しみどころかかえって、ストレスとなってしまうのだ。
インテリアに重要なな役目を果たすのは、収穫の秋ということから、ワラや、かかしのようなお人形。又、オレンジ色の大きな西洋かぼちゃと菊がセットで玄関先に置かれる。室内用には、右写真のようなさまざまな形をした、手の平サイズの装飾用かぼちゃが、主に花屋さんで販売され、窓辺やテーブルにさりげなく飾られる。
外で拾ってきた、どんぐりの実や、マロニエの実までが部屋を秋色に飾る小道具となる。子供たちは、栗に似た、マロニエの実で”ネックレス”や、ようじを何本もつきさして ”はりねずみ” を作ったり、どんぐりの実は”お人形”に変身、枯葉を紙にはりつけて壁に掲げてみたりと、工作に大熱中。
自然がおもちゃに変わるとてもいい季節となる。
オレンジ色の大きな西洋かぼちゃは、とても水っぽく風味もないが、
最近 小ぶりで実がしまったとっても美味しいオレンジ色のかぼちゃが
手にはいるようになった。
その名も、【 HOKKAIDO】。
北海道という名は、とたんに近年有名となり【 SUSHI】 や【TOFU】
【 POKEMON】にならぶ日本語起源のドイツ語となった。
そんな、美味しいかぼちゃに出会えると心まで温かく
幸せな気分になれる。
住を大切にするドイツ人は、快適に過ごすため,秋色に室内を飾るが、
食文化豊かな日本人は、おいしい秋の味覚に出会える方が心踊る。
家に飾ってある子粒のかぼちゃと 栗のようなマロニエの実を目にすると、
居心地がいいと感じるどころが、それが食べられない事が
とってももったいなく感じ、落ち着かない毎日なのである。
日照時間を少しでも夕方長く、労働後の時間を有効に使えるよう
導入されているサマータイムもこの10月末で終了。
10月の終りには時計の針を1時間もどす。
つまり今まで18:00に暗くなっていた日が、17:00に
は暗くなってしまう。
従って11月にはいると急に日が短くなった様に感じ、それがとても淋しい。
冬の足はとっても早い。
あっというまに秋に追いついてしまう。
黄金の10月は、そんな冬の訪問前、自然界からのプレゼントなのだと思う。
つくづく天からの恵みに感謝!!
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黄金の10月
彩どられていく街, とりまく自然。
冬の足跡がかすかに聞こえながらも、
目を楽しませてくれる美しい季節、秋。
日本より一足先にはじまるドイツの紅葉。
生えている木立にもよるのか どちらかといえば
紅色より黄色が目立ち【 黄葉】に近い色合いだ。
ただ、こちらでは、紅葉を鑑賞する習慣がない。
あえて、出かけて鑑賞しようという発想がないらしい。
とっても綺麗なだけに、不思議だ。
これには天候も大きく影響している。
日本の秋の日々は爽やかで、うららかで穏やかな日々、
こちらでは、気温も低くなり、冷たい雨の日が多くなる。
風も強く冷たく、お正月の象徴である凧上げが、
ここでは秋の子供の遊び。
日もぐんと短くなり、空はグレイがかる日が多くなる。
かえって重厚な欧州らしさが感じられ哀愁漂う秋がお楽しみ頂ける。
そんなドイツの秋にも、
10月には美しい秋晴れの日がたまに訪れる。
その太陽の恵みを受けた美しい日は、
ゴールドナーオクトーバー (goldener Oktober) =黄金の10月
と呼ばれ、毎年10月に何日かやってくる。
気温も上昇し、青空が広がり 太陽の光がまぶしく明るい。
こんな温かい貴重な日を楽しまなければと、誰もが外へ繰り出して行く。
そう、こちらでは、紅葉の美しさよりも、太陽に誘われる。
昔、南ドイツに住むドイツ人が、太陽に照らされた紅や黄色に
染まった葉が金色に見えたことから、この表現を使いはじめ、
今現在も10月の秋晴れを象徴する言葉として、広く使われている。
11月に入ると、厚い雲に覆われ太陽が顔をのぞかせることも
滅多になくなるので、10月にたまに訪れるそんな日が
とっても貴重なのだ。
天気がぱっとしないドイツでは、必然的に家の中で過ごすことが
多くなり、玄関先や室内を季節の色で彩どり楽しむ。
”居心地のよさ”を追求し、衣食住の中では、【住】が 最重要の文化。
倹約家の彼らも、インテリアや家具にはお金をかけることはいとわない。
あまり外見おしゃれではない女性も、
家の中を飾るインテリアのセンスはピカイチだ。
どこのお宅にお邪魔をしてもそれぞれの趣味と個性で
季節感がとりいれられとても整然としている。
子供がいようが、働いていようが、1部屋の狭いアパートだろうが、
快適に過ごすための労力は惜しまない。
私も何度もマネてはみたが、とてもおいつけない。
あっというまに季節が巡るので、こまめに室内の装飾を変える労力が
楽しみどころかかえって、ストレスとなってしまうのだ。
インテリアに重要なな役目を果たすのは、収穫の秋ということから、ワラや、かかしのようなお人形。又、オレンジ色の大きな西洋かぼちゃと菊がセットで玄関先に置かれる。室内用には、右写真のようなさまざまな形をした、手の平サイズの装飾用かぼちゃが、主に花屋さんで販売され、窓辺やテーブルにさりげなく飾られる。
外で拾ってきた、どんぐりの実や、マロニエの実までが部屋を秋色に飾る小道具となる。子供たちは、栗に似た、マロニエの実で”ネックレス”や、ようじを何本もつきさして ”はりねずみ” を作ったり、どんぐりの実は”お人形”に変身、枯葉を紙にはりつけて壁に掲げてみたりと、工作に大熱中。
自然がおもちゃに変わるとてもいい季節となる。
オレンジ色の大きな西洋かぼちゃは、とても水っぽく風味もないが、
最近 小ぶりで実がしまったとっても美味しいオレンジ色のかぼちゃが
手にはいるようになった。
その名も、【 HOKKAIDO】。
北海道という名は、とたんに近年有名となり【 SUSHI】 や【TOFU】
【 POKEMON】にならぶ日本語起源のドイツ語となった。
そんな、美味しいかぼちゃに出会えると心まで温かく
幸せな気分になれる。
住を大切にするドイツ人は、快適に過ごすため,秋色に室内を飾るが、
食文化豊かな日本人は、おいしい秋の味覚に出会える方が心踊る。
家に飾ってある子粒のかぼちゃと 栗のようなマロニエの実を目にすると、
居心地がいいと感じるどころが、それが食べられない事が
とってももったいなく感じ、落ち着かない毎日なのである。
日照時間を少しでも夕方長く、労働後の時間を有効に使えるよう
導入されているサマータイムもこの10月末で終了。
10月の終りには時計の針を1時間もどす。
つまり今まで18:00に暗くなっていた日が、17:00に
は暗くなってしまう。
従って11月にはいると急に日が短くなった様に感じ、それがとても淋しい。
冬の足はとっても早い。
あっというまに秋に追いついてしまう。
黄金の10月は、そんな冬の訪問前、自然界からのプレゼントなのだと思う。
つくづく天からの恵みに感謝!!