1953年に公開された『ローマの休日』は、とある小国のアン王女と新聞記者ジョーの淡い恋物語。半世紀以上の時を経た今でも世界中の人々に愛され続けている永遠の名作です。当然、ローマは“ロケ地巡り”の場所としても人気ナンバーワン! 絶対にハズせない場所といえばココ! 『ローマの休日』と聞いて、まず思い浮かぶシーンは「真実の口」ではないでしょうか。これはサンタ・マリア・コスメディンという小さな教会の外壁に飾られた海神トリトーネの石盤で、その口に手を入れると「嘘をついたものは手を食べられてしまう」という言い伝えがあります。手を入れて噛みちぎられた(ふりをした)ジョーを見て、悲鳴を上げて泣き出すアン王女のうぶな姿に魅了された人々が、ひきも切らずにここを訪れています。 実は、このシーンの撮影で新人オードリーの演技を引き出すために、監督のウィリアム・ワイラーと相手役のグレゴリー・ペックが一計を案じ、本番でいきなり手を噛みちぎられた演技を見せたそうです。これを真に受けたオードリーは本気で悲鳴をあげました。見事に生のリアクションをとらえたこのシーンの撮影は1回でOKが出たとか。 名シーンが甦るおすすめスポット 「真実の口」に続いて有名なのは「スペイン階段」のシーン。アン王女がおいしそうにジェラートを食べる姿がとても印象的ですが、残念ながら現在はここでジェラートを食べることは禁止されています。ローマの休日ファンにとってはちょっと残念ですが、イタリアの文化財保護のためにここはぐっと我慢です。 その代わり、スペイン階段まで来たらジョーのアパートの“マルグッタ通り51番地”が近いので探してみましょう。スペイン階段を下りて、ポポロ広場方面へ伸びるバブイーノ通りと並行する静かな小路がマルグッタ通り。51番地もアパートも実在します。 この他には、 ・アン王女が滞在した大使館として使われた「国立古典絵画 館」のバルベリーニ宮 ・眠っているアン王女をジョーが見つけたフォロ・ロマーノ のセプティミウス凱旋門のそばの石垣 ・ふたりがヴェスパで走り回ったベネチア広場の界隈(真っ 白なヴィットリオ・エマヌエル2世記念堂も見える) も散策したいところです。 ちなみにヴェスパのシーンを撮る際は、大スターのグレゴリー・ペックに地元の人が手を振ったり近づいたりで撮り直しが続出し、わずか3分のシーンを撮るのに6日も費やしたとか。撮り直しといえば、サンタンジェロ前のテヴェレ川で行われた船上パーティーで川に飛び込むシーンもオードリーの演技を10回も撮り直したそうで、もちろんそれにグレゴリー・ペックもお付き合いする羽目になったようです。撮影は大変暑い夏だったのでそれがせめてもの救いですね。 ラストシーンの舞台の見学は要注意 最後にご紹介する場所は、アン王女が公務に戻って記者会見を行う「コロンナ宮殿」。現在は美術館になっています。王女にそっと写真を渡し、ジョーが新聞記者としての名声より王女への愛を選択する感動のラストシーンの舞台です。宮殿の出口にポツリと立ってみると、アン王女とジョーの気持ちが胸に迫ります。なお、この美術館は、土曜日の午前中しか見学できないので、訪問する場合は気をつけてください。 ロケ地を散策すると意外な発見もあるはず。スクリーンで見た可憐なアン王女と素敵なジョーの姿を追って、あなたなりの“ローマの休日”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
永遠の名画『ローマの休日』の舞台を歩く
1953年に公開された『ローマの休日』は、とある小国のアン王女と新聞記者ジョーの淡い恋物語。半世紀以上の時を経た今でも世界中の人々に愛され続けている永遠の名作です。当然、ローマは“ロケ地巡り”の場所としても人気ナンバーワン!
絶対にハズせない場所といえばココ!
『ローマの休日』と聞いて、まず思い浮かぶシーンは「真実の口」ではないでしょうか。これはサンタ・マリア・コスメディンという小さな教会の外壁に飾られた海神トリトーネの石盤で、その口に手を入れると「嘘をついたものは手を食べられてしまう」という言い伝えがあります。手を入れて噛みちぎられた(ふりをした)ジョーを見て、悲鳴を上げて泣き出すアン王女のうぶな姿に魅了された人々が、ひきも切らずにここを訪れています。
実は、このシーンの撮影で新人オードリーの演技を引き出すために、監督のウィリアム・ワイラーと相手役のグレゴリー・ペックが一計を案じ、本番でいきなり手を噛みちぎられた演技を見せたそうです。これを真に受けたオードリーは本気で悲鳴をあげました。見事に生のリアクションをとらえたこのシーンの撮影は1回でOKが出たとか。
名シーンが甦るおすすめスポット
「真実の口」に続いて有名なのは「スペイン階段」のシーン。アン王女がおいしそうにジェラートを食べる姿がとても印象的ですが、残念ながら現在はここでジェラートを食べることは禁止されています。ローマの休日ファンにとってはちょっと残念ですが、イタリアの文化財保護のためにここはぐっと我慢です。
その代わり、スペイン階段まで来たらジョーのアパートの“マルグッタ通り51番地”が近いので探してみましょう。スペイン階段を下りて、ポポロ広場方面へ伸びるバブイーノ通りと並行する静かな小路がマルグッタ通り。51番地もアパートも実在します。
この他には、
・アン王女が滞在した大使館として使われた「国立古典絵画 館」のバルベリーニ宮
・眠っているアン王女をジョーが見つけたフォロ・ロマーノ のセプティミウス凱旋門のそばの石垣
・ふたりがヴェスパで走り回ったベネチア広場の界隈(真っ 白なヴィットリオ・エマヌエル2世記念堂も見える)
も散策したいところです。
ちなみにヴェスパのシーンを撮る際は、大スターのグレゴリー・ペックに地元の人が手を振ったり近づいたりで撮り直しが続出し、わずか3分のシーンを撮るのに6日も費やしたとか。撮り直しといえば、サンタンジェロ前のテヴェレ川で行われた船上パーティーで川に飛び込むシーンもオードリーの演技を10回も撮り直したそうで、もちろんそれにグレゴリー・ペックもお付き合いする羽目になったようです。撮影は大変暑い夏だったのでそれがせめてもの救いですね。
ラストシーンの舞台の見学は要注意
最後にご紹介する場所は、アン王女が公務に戻って記者会見を行う「コロンナ宮殿」。現在は美術館になっています。王女にそっと写真を渡し、ジョーが新聞記者としての名声より王女への愛を選択する感動のラストシーンの舞台です。宮殿の出口にポツリと立ってみると、アン王女とジョーの気持ちが胸に迫ります。なお、この美術館は、土曜日の午前中しか見学できないので、訪問する場合は気をつけてください。
ロケ地を散策すると意外な発見もあるはず。スクリーンで見た可憐なアン王女と素敵なジョーの姿を追って、あなたなりの“ローマの休日”を楽しんでみてはいかがでしょうか。