【杵築（きつき）城下町：国指定重要伝統的建造物保存地区】
九州豊後路の小京都、杵築は江戸時代、杵築藩松平氏3万2千石の城下町として栄え、今でも多くの武家屋敷や土壁、石畳の坂道が残されています。南北の高台に武士が住み、その谷間で商人が暮らした特徴的な町並みで別名「サンドイッチ型城下町」と呼ばれています。映画やTVコマーシャル等にも度々登場している、知る人ぞ知るロケ地です。
美しい石畳の坂道が残る城下町は、21世紀から江戸時代へとタイムスリップしてしまったかのような感覚を覚えます。

【岡城：国指定史跡】
「春高楼の花の宴」で始まる滝廉太郎作曲の「荒城の月」。少年時代を竹田の町で過ごした彼は、岡城跡のことを思い起こしながらこの曲を作曲したといわれています。
明治維新の際に城内の建物は全て取り壊されてしまい、石垣を残すのみですが、勇壮な石垣は難攻不落といわれた堅城の面影をしのぶことができると同時に、哀愁を帯びた名曲のメロディを思い起こすことができます。
大手門跡や岡城だけで見られる丸く加工された「かまぼこ石」は西洋の古城を彷彿とさせます。城跡は、くじゅう連山、阿蘇外輪山を眺めることができる絶景ポイント。春は桜、秋は紅葉を楽しめます。

【臼杵（うすき）城下町】
臼杵城はキリシタン大名、大友宗麟によって築城されました。江戸時代は稲葉氏が臼杵藩５万石の城主として統治し、城下町として栄えました。江戸時代初期の古絵図にある町割りが、現在もそのまま残り、商家や武家屋敷、神社仏閣などの昔の建物が多数残っています。
2020年4月に他界した大林宣彦監督はこの町を舞台に大ヒット曲「なごり雪」をモチーフにした映画を撮影しました。曲が醸し出すセンチメンタリズムに加えて、どこか懐かしさを感じながら街歩きを楽しめます。