ワインの生産地を訪れて、その土地の風土や文化、人との交流を楽しみ、ワインを味わったり購入したりする「ワインツーリズム」。
行先はフランスやイタリア、アメリカ西海岸、オーストラリアなど、当社でも人気の旅のスタイルのひとつですが、近頃は「日本酒ツーリズム」といえそうな酒蔵めぐりの旅も……。
試飲を重ねて、自分好みのお酒に出合う楽しみはもちろん、アルコールが苦手な方でも、ご家族やお友だち、大切なあの人のイメージを伝え、お店の人に選んでもらって贈るのもステキな旅の思い出になりそうです。
四季の日本酒
冬の新酒「しぼりたて」
原料であるお米の収穫後に始められるのが、日本酒造り。毎年10月頃から準備が始まり、3月頃まで酒造りが続きます。
ちなみに日本酒の年度は7月1日~翌年6月30日までを指し、その年度内に造って出荷されたものが「新酒」で、なかでも保存期間を長くするために行われる「火入れ」をせずに出荷されるのが「しぼりたて」。
お米の味わいがほんのり感じられたり、言葉のイメージどおり、フレッシュで爽快、キレがあると表現されたりすることも。
12月(早いところでは11月)~3月の期間限定なので、冬の旅の楽しみともいえますね。
最も美味しいともいわれる
まろやかな秋の酒「ひやおろし」
冬場に仕込んだ日本酒は、春や夏を越えることにより熟成されて、味わいが深まります。
「ひやおろし」は、一度火入れして貯蔵された日本酒を二度目の火入れをせずに出荷、「冷や」のままで「卸す」という意味だそうです。
一方「秋あがり」というのは、火入れの回数とは関係なく、秋まで寝かせたお酒が熟成されて美味しくなったことを指し、そういえば「秋さがり」と銘打ったものは見かけられないのも納得です。
暑さがやわらぎ、過ごしやすく、旅にもぴったりの秋は、地元の料理と地酒を堪能できる季節でもあります。
季節ごとに楽しめる
「花見酒」の春、さわやかな「夏酒」
春は桜のイメージからか、ピンク色のモチーフや、花びらをデザインしたラベルの日本酒も多く、酵母を使用して淡い桃色に仕上がった、にごり酒も見かけるようになりました。
また5月~7月頃は、火入れを行なわない「生酒」のオンシーズンでもあり、上品な甘みで、すっきりと飲みやすいタイプも少なくありません。
夏場は爽快感のある発泡スパークリングや、ロックで楽しむのがおすすめという日本酒など、地元の蔵元で工夫された季節限定ものもあり、そういったラベルの写真は、旅先で出合った、その季節、その時期だけの景色とともに記憶に残るものとなりそうです。