日本全国から、そして海外からも多くの人々が訪れる京都。
歴史的旧跡が集まる京都に「海」というイメージはないかもしれません。
でも京都府北部へ足を延ばすと、日本海に面した「海のエリア」があり、京都市内とは全く違う風光明媚な世界が広がります。
そんなもうひとつの京都-「海の京都」の魅力をご案内します。
海に浮かんでいるような
舟屋が並ぶ町・伊根町
「舟屋」と呼ばれる伝統的な民家が海沿いに建ち並ぶ伊根町は、丹後半島の東端にあります。
舟屋とは舟のガレージのこと。中でも伊根の舟屋は、1階がガレージ、2階が住居スペースという独特の造りになっていて、海辺ぎりぎりに建っているため、海側から眺めると海に浮かんでいるかのように見えます。
今でも230軒もの舟屋があるのは伊根町だけ。
その景観は「日本のヴェネツィア」ともいわれています。
地上からはもちろん、遊覧船から眺める舟屋の景色も格別。
ここでしか出合えないのどかな美しい漁村風景が広がります。
海の上を走る?
レトロかわいい京都丹後鉄道
ローカル列車に乗って、のんびりと京都の海景色を楽しむのもおすすめです。
京都丹後鉄道、略して「丹鉄」は京都北部を走るローカル線。
天橋立から西舞鶴の区間は、美しい海、穏やかな山並み、のどかな田園風景が続き、レトロでおしゃれな観光列車も走っています。
一番の絶景スポットの「由良川橋梁」は、大正13年に完成した赤褐色の趣ある鉄橋。
一直線で長さ550メートル、水面から3メートルの高さを走ります。
観光列車では、「由良川橋梁」で速度を落として走行したり、「奈具海岸」の絶景スポットでいったん停車をしたりと、ゆったりきれいな海を堪能できます。
夕日も綺麗
幻のカニを求めて間人(たいざ)へ
豊富な海の幸を誇る丹後半島ですが、その中でも冬の味覚の王様「間人(たいざ)カニ」は知る人ぞ知る幻のカニといわれる貴重なカニです。
毎年11月6日に漁が解禁され、翌年3月20日までの5ヶ月間味わえます。
日帰り漁により鮮度が抜群で、味や品質などすべてにおいて最上級といわれています。
間人カニを漁獲する小型船は5隻のみ。
さらに荒波と寒さの厳しい日本海は出漁できないも多く、一度の漁で獲れるのは少量であることから「幻のカニ」といわれるようになりました。
間人は温泉もあり、また夕日がきれいなことでも有名です。
日本海に沈む夕日を見ながら温泉に入り、幻のカニを食す。
こんな贅沢な旅はいかがでしょうか。