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南米大自然

有名スポットももちろん素晴らしいのですが、まだあまり観光地化が進んでいない小さな町や村を訪れ、大自然とそこに暮らす人々の暮らしを垣間見るのも、南米旅行の楽しみです。
トラベルコンシェルジュ 深山哲夫

パラ・ジェバール

スペイン語でパラ・ジェバールという言葉があります。
パラは前置詞「~のため」、ジェバールは「持ち帰る」という動詞です。
パラ・ジェバールは「持ち帰り用」、つまり飲食店などでのお持ち帰り、テイクアウトのことです。

南米でも日本と同じように、ハンバーガー、ピザ、寿司など、いろいろなテイクアウトがあります。
ところが南米では普通なのに、日本では見ないのが、
レストランなどでの食べ残しのテイクアウトです。

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例えば、レストランで注文した料理が、
想像よりも多くて食べきれない場合(南米ではよくある)、
日本だと、あきらめて残すか、最後まで頑張って食べるかになります。

ところが南米ではそういう場合、
店員を呼んで「パラ・ジェバールにしてください」とお願いすると、
料理の皿を下げて、中身を持ち帰り用の容器に入れて渡してくれます。
家族へお土産にするもよし、自宅で食事の足しにするもよし。
客は食べ残さずに済むし、店にとっても残飯が減るという、
どちらにもメリットがある仕組みです。
さすがに少々の食べ残しは、わざわざパラ・ジェバールにしませんが、
かなり残っている場合にはありがたいサービスです。

今まで、いろんな店でパラ・ジェバールを頼んだことがありますが、
どこでも快く引き受けてくれ、断られたことはありません。
ごく普通のサービスで、他のお客さんが頼んでいるのもよく見かけます。

とても便利なパラ・ジェバールですが、日本では聞きません。
頼んでいる人を見たこともありませんし、
学生時代にアルバイトしていた飲食店でも、頼まれた経験はありません。

調べてみると、日本では、
一部のホテルなどが先進的な試みとして導入しているようですが、
客が一度手を付けた料理を持ち帰って
もし食中毒が出た場合の責任の所在などの問題で、
残念ながら普及していないようです。

欧米でも食べ残しのテイクアウトは普通で、
英語ではそれ用の入れ物を、
犬の餌のために(ということにして)持ち帰るという意味で
「ドギーバッグ」と呼ぶようです。

習慣や文化の違いなどがあるかもしれませんが、
南米や欧米でできていることが、日本でできないはずはありません。
日本の食品廃棄ロスは膨大だと聞きます。
とっても便利で食べ物の無駄も減るパラ・ジェバール、
日本でも普通になるとよいなと思います。


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