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南米大自然

有名スポットももちろん素晴らしいのですが、まだあまり観光地化が進んでいない小さな町や村を訪れ、大自然とそこに暮らす人々の暮らしを垣間見るのも、南米旅行の楽しみです。
トラベルコンシェルジュ 深山哲夫

エクアドルのロカ・ビウダ(気狂い未亡人)

エクアドルの年越しの風物詩でもうひとつ、外せないのが「ロカ・ビウダ」です。
直訳すると「気が狂った未亡人」という意味で、単に「ビウダ」とも言います。

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年末、道の真ん中に陣取り、踊りやパフォーマンスをして、
通りがかった車のドライバーから小銭をせびる集団がいたら、それがビウダです。
未亡人といいますが、実際には男性で、
お面をつけたり女装をして女性を演じます。
夫と死別して気が狂ったかわいそうな女性という設定なのですが、
なかにはやたらセクシー?なパフォーマンスを見せる人もいます。
動物のかぶり物などの仮装のこともあります。

別に危険ではないのですが、結構真剣で、ちょっと怖かったりもします。
酒を用意していて、ドライバーに飲ませたりすることもあります。



なかには、道路にロープや棒を渡して料金所もどきを作って、
「集金」しているところもあったりします。
都会ではそれほどでもないですが、田舎の道路などでは各集落ごとにビウダがあり、
しょっちゅう車を止められるので、この時期の移動は時間がかかります。

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運転手に酒を飲ませるビウダ

正直、急いでいるときには、いらつくのですが、
車の運転手も楽しんでいるようで、
伝統行事ということで、別に警察のおとがめもないようです。

彼らが集めたお金は何に使われるのか、
地元のコミュニティーのために使われたりするのかと、
何人かのエクアドル人に聞いてみたことがありますが、
答えは一様に、「うーん、彼らの酒代になるんじゃない」とのことでした。

私がはじめてロカ・ビウダに遭遇したのは、自転車ツアーに参加していたときで、
ツアー仲間と離れて一人、下り坂を自転車で快走していたら、
前方の道に障害物が置かれているのが目に入り、
マシンガンのようなもの(たぶんおもちゃ)を肩から下げて女装した青年に
止められました。
そのときはまだ、この習慣をよく知らなかったので、
「なに、武装ゲリラ?」と焦りましたが、それほどの緊迫感はなく、
小銭を渡して「解放」してもらいました。
その後も、あちこちで同じように止められ、
いやおうなく、この習慣を知ることになりました。

ちょっと怖いかもしれませんが、悪い人たちではないので、
もしエクアドルで年越しすることがあれば、「ロカ・ビウダ」も必見です。


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