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南米大自然

有名スポットももちろん素晴らしいのですが、まだあまり観光地化が進んでいない小さな町や村を訪れ、大自然とそこに暮らす人々の暮らしを垣間見るのも、南米旅行の楽しみです。
トラベルコンシェルジュ 深山哲夫

夏時間をめぐって

パラグアイは今、夏時間の最中ですが、この制度について議論が起こっています。
電力公社(ANDE)は、省エネの観点から夏時間を見直すレポートを発表しました。

パラグアイの標準時はGMT-4(日本より13時間遅れ)で、
毎年10月第1日曜から3月第4日曜の約5か月半、
時計の針を1時間進め、GMT-3(同12時間遅れ)になります。

ご存じの通り夏時間とは、夏に時計の針を進めて早朝から始業することで、
長い日照時間を有効活用し、照明の使用を減らして省エネする取り組みです。
例えば、朝7時始業の職場は、夏時間中は本来の朝6時に始業することになって終業も1時間早まり、
明るいうちに仕事を終えて自由時間が過ごせるという理屈です。
乱暴に言えば、時計の針を動かして、社会全体を無理やりに早寝早起きにするイメージです。


パラグアイ・ピラールの日没

レポートでは各季節の日の出、日の入りの時間と、標準的なオフィスアワーから、
夏時間ありと無しの場合で日没後に食い込む業務時間を試算しています。
その結果、年間およそ7か月半(224日)を夏時間にした場合が、
日没後の業務時間が最も短くなり、省エネ効果が高いと結論づけました。
今よりも夏時間が約2か月延びる形です。

レポートでは夏時間の実際の省エネ効果にも触れ、
2018年の実績で、夏時間の開始後は開始前よりエネルギー消費が2.6%減、
逆に夏時間終了時には4.3%増で、省エネ効果はあったとしています。

一方で夏時間延長のデメリットとしては、
時期によっては学校の生徒の登校が日の出前になることがある点を挙げています。
(パラグアイの学校の朝は早いです)
子供の登下校を送迎する親の負担も大きくなりそうです。

夏時間延長から、さらに踏み込み、今の夏時間GMT-3を標準時にして、
1年中使うことを提案している政治家もいます。
ANDEのレポートはそれには賛成していませんが、
もしも通年同じ時間帯にするのであれば、
標準時は今の夏時間であるGMT-3がよいとしています。

私個人の勝手な希望を言えば、今の夏時間GMT-3が年間通じて標準時になると、
日本との時差がいつでもちょうど12時間でわかりやすく、
行き来が盛んな隣国アルゼンチンとも時差がなくなり、便利かなとは思います。
ただ、人によってメリット、デメリットがあり、簡単に意見がまとまるとも思えません。
夏時間をめぐる議論、はたしてどうなるでしょうか。


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