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南米大自然

有名スポットももちろん素晴らしいのですが、まだあまり観光地化が進んでいない小さな町や村を訪れ、大自然とそこに暮らす人々の暮らしを垣間見るのも、南米旅行の楽しみです。
トラベルコンシェルジュ 深山哲夫

長さ3km、すべてを飲み込む「モコナの滝」

モコナの滝とは

モコナの滝


Saltos de Mocona | Rachel Hugh
アルゼンチン・ブラジル国境にあるモコナの滝は、長さが3㎞、世界でも珍しい「川の流れに平行」に続く滝です。
普通、滝というのは川の流れに対して直角方向にありますが、
モコナの滝は川に平行する、不思議な滝なのです。

右の写真の通り、ウルグアイ川の流れに沿って、延々と滝が続いています。
この全体を総称してモコナの滝と呼ばれています。
ちなみにブラジル側ではYucuma滝と呼ばれます。

なぜ、川に沿って滝があるのでしょうか?
それは川の流れに沿って、あたかも渓谷のような長い段差があり、そこから落ちる水が滝になっているのです。

上空から撮影された珍しい映像で、地形がよくわかります。

Sobrevuelo Saltos del Mocona - YouTube : aeromil

モコナの滝の落差、つまり水面上に現れる滝の高さは、ウルグアイ川の水位によって変わり、一定ではありません。
川の水位が下がると、相対的に落差は高くなり、高いときは10m以上になります。
逆に川が増水して水位が上がると、落差は低くなり、ついには滝が姿を消してしまいます。
特に滝が見やすい月などはなく、その日の水位次第だそうです。

モコナの滝はボートで川から見学します。
まず川を遡ること数分、岸辺にいくつも滝が現れ始めます。
滝はどんどん増えて激しさを増し、水しぶきが飛び、轟音で話し声もかき消されます。
モコナとは、先住民族グアラニーの言葉で「すべてを飲み込むもの」の意味。
まさにその通りの迫力です!


●モコナの滝が見やすくなる

モコナの滝は川が増水すると消えてしまうため、見るのが難しいと言われてきましたが、今年(2017年)からは変わりそうです。
滝が見えにくかった原因の一つは、上流約80㎞にできたブラジルの水力発電所にありました。
2013年の操業開始以来、発電所の放水によって川が増水し、滝が見えない日が増えていたのです。
観光や環境への影響が大きいため問題となり、ブラジル当局は、2017年1月23日から放水を夜のみとする決定を下しました。
そのため、今後は昼間は滝が現れやすくなり、なおかつ、迫力も一層増すと期待されます。

●イグアスの滝とのコンビネーションも

モコナの滝は有名なイグアスの滝からは車で4~5時間の距離です。
滝の落差や規模はイグアスの方がもちろん大きいですが、川沿いに続く滝の長さは、モコナの滝が上です。
そして何よりも、大観光地のイグアスに対し、モコナは静かで田舎の素朴な雰囲気が残っています。
滝好きの方、冒険好きの方、そして人とは一味違う旅をしたい方は、南米旅行の行先にモコナの滝もいかがでしょうか。

モコナの滝のアクセス

ブエノスアイレスから国内線でプエルトイグアス、またはポサダス空港へ。ここから陸路で約300~320km、ミショネス州のモコナ州立公園へ。車でのアクセスが一般的です。
公園の通常の開園時間は9-17時。滝を見るボートツアーは1回15分で随時出発しています。当日の川の状態によっては変更になります。

モコナの滝の宿

Hotel La Mision Lodge de la Selva

Hotel La Mision Lodge de la Selva
州立公園の中にはホテルはありませんが、最寄りの町、エル・ソベルビオから州立公園までの約60kmの範囲に、宿泊施設が点在しています。
自然の景観が楽しめるロッジなど、それぞれに特徴があります。

そのうちの一軒、ホテル・ラ・ミシオン・ロッジ・デ・ラ・セルバは、エル・ソベルビオから州立公園へ向かって約40Km。
ウルグアイ川を見渡すロケーションで、川が見えるプライベートテラス付きのお部屋が気持ち良いです。
町から遠いため夜空が暗く、晴れた日はテラスから満点の星空が望めました。
テレビはなく、ネットや電話も通じにくいですが、日常から遠ざかり、自然の中で寛ぐには最高です。


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