2010年にヨハネスブルグで開催されたFIFAワールドカップによって、南アフリカ共和国、ボツワナ、ジンバブエ、ザンビア、ナミビアなどの南部アフリカの国々は広く知られるようになりました。
欧州の植民地支配から独立を果たした各国は、アフリカと欧州の文化が融合しており、サファリもできるだけ自然な形で野生動物を観察できるように整備されています。
“サファリ”と聞くと埃まみれのイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際は真逆。
アフリカの大自然の中で非日常をゆったり優雅に味わえます。
ビクトリアフォールズ(ジンバブエ/ザンビア)
世界三大瀑布の中で一番落差の大きい滝
ジンバブエとザンビアの国境にある“ビクトリアフォールズ(ビクトリアの滝)“は落差約108mで、世界三大瀑布の中で一番落差の大きい滝です。
幅は南米の「イグアスの滝」の方が広いですが、それでも1,708mもあります。
ジンバブエ側にある広大な国立公園は、滝に沿って遊歩道が整備されているのでさまざまな角度から滝を堪能できます。
水量がもっとも多いのは4~5月頃で、逆に少なくなるのが9~12月頃。
水量が多い時期と少ない時期の景観のギャップが大きいのもビクトリアフォールズの特徴です。
ジンバブエとザンビアの国境に架かっている橋を渡って、ザンビア側へ行くこともできます。
水量の少ない時期にはザンビア側で「デビルズプール」と呼ばれる滝の上のプールで泳げるツアーもあります。
その他、ザンベジ川でのサンセットクルーズ、滝の上をヘリコプターで遊覧飛行、エレファントバックサファリ、日帰りチョベ・サファリ(ボツワナ)など、ビクトリアフォールズにはさまざまなアクティビティーが揃っています。
オカバンゴ湿原
広大な自然の中で優雅に過ごせる場所
オカバンゴ湿原は、ボツワナの北西部にあります。隣国のアンゴラに降った雨がボツワナの「パンハンドル(フライパンの取っ手)」と呼ばれる湿地帯エリアに流れ着き、そこから広大なオカバンゴ湿原を形成します。
オカバンゴ湿原の水は海へと流れることなく、ボツワナ中央部のカラハリ砂漠で消えていきます。
オカバンゴエリアには多くのロッジが点在していますが、おすすめは部屋数が少なくプライベート感満載なラグジュアリーロッジ。
ビクトリアフォールズ観光と組み合わせる場合は、ビクトリアフォールズ側からボツワナ側へ陸路で国境を越え、カサネのエアストリップ(飛行場)から小型機でオカバンゴエリアへと移動します。
ロッジでは、早朝と午後にサファリを楽しめます(ロッジによってはナイトサファリもあり)。
サファリでは水辺に集まる草食動物を肉食動物が追う姿や美しい水鳥が戯れる様子など、大自然ならではの光景を目にすることができます。
昼食後にはシエスタタイム(昼休憩)があるので、思い思いにのんびりお過ごしください。
湿地に面したテラスでワインやコーヒーを飲みながら、近くにやってくるゾウやキリン、イボイノシシを何も考えず眺めるのもいいかもしれません。
オカバンゴファンは、2~3カ所のロッジをはしごしながらサファリ三昧の旅を楽しむこともあるそうです。
カラハリ・トランスフロンティア公園
手付かずの自然を守り続けるカラハリ砂漠の公園
南アフリカ共和国、ボツワナ、ナミビアの国境地帯に広がるカラハリ砂漠には、「国境を越えて自然を守ろう」という理念のもとに作られたトランスフロンティア公園があります。
ヨハネスブルグからオレンジ川のほとりの町アピントンまで空路で約1時間半。
そこからトランスフロンティア公園の入口まで約265kmの道のりを車で移動します。公園内には4つ星のカウスロッジがあり、ロッジのスタッフのほとんどはサン族(ブッシュマン)です。
ロッジの近くにはサン族の村があり、希望者は見学することもできます。
半砂漠地帯のこのエリアでは、カラハリライオンやチーター、ヒョウに出会うチャンスもあります。
手付かずの自然が残るトランスフロンティア公園で見る満天の星空や地平線から上る朝日は、いつまでも心に残る景色になるでしょう。