日本でも最近注目度急上昇のベトナム中部。
このエリアはベトナムの長い歴史を物語る、さまざまな時代の「遺跡」の宝庫でもあります。
多彩なこの国の歴史を味わう旅に出かけてみませんか?
歴史ある古都フエ
ベトナム最後の王朝の歴史を伝える都
喧騒に満ちてエネルギッシュなハノイやホーチミンに対し、落ち着いた雰囲気のフエの街は、また違ったベトナムの良さが感じられます。
ここは19世紀から20世紀にかけてベトナムを治めた最後の王朝「グエン朝」の都です。
現存する王宮や帝廟は実はそれほど「古い」ものではありませんが、そのたたずまいは必見です。
グエン朝はその後半はフランスの支配下にありましたが、フエ郊外の「カイディン帝廟」にはフランスのバロック様式が取り入れられ、独特の雰囲気を生んでいます。
交易で栄えた港町ホイアン
多彩な表情を見せる魅力的な街並み
ホイアンは15世紀から19世紀にかけて、交易の拠点として栄えた港町。
江戸時代の初期には日本との取引が盛んで「日本人街」も形成され、今でも人気スポットの「来遠橋」には当時の雰囲気が残ります。
江戸幕府の鎖国後は中国との貿易で栄えました。
そういう街の歴史を反映して、さまざまな文化が融合したホイアンはノスタルジックでロマンチック、また昼間と夜で違った表情を見せます。
日本の伊勢うどんがルーツという説もあるホイアン名物の「カオラウ」を筆頭にグルメにも不自由しないこの街、時間をとってゆっくり散策される事をおススメします!
ミーソン遺跡
ベトナムの「いにしえ」と「現代の悲劇」を同時に伝える
ホイアンの郊外にあるミーソン遺跡は、1,000年以上にわたって栄えた「チャンパ王国」の聖域。
19世紀末にフランス人に発見されるまで400年以上ジャングルの中で忘れ去られていたこの遺跡は、7世紀から13世紀頃に建立されたヒンドゥー教の祠堂の遺構です。
「いにしえ」の時代を偲ばせると同時に、この遺跡はベトナムの「現代の悲劇」を同時に伝える遺跡でもあります。
ベトナム戦争の際に、この地が「ベトコン(南ベトナム解放民族戦線)」の拠点だったため米軍の空爆を受け、多くの遺跡が破壊されました。
まさにこの国の「過去」と「現代」を同時に回顧出来る貴重な遺跡です。