2021年7月、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録されたのは記憶に新しいところです。
近年は、北日本といっても夏には30℃を超える日も少なくなく、ようやく涼しさが感じられたと思ったら、足早に冬がやってくるのがこのエリア。
短い秋は、紅葉に染まる山や湖の景色はもちろん、大地の恵みを味わえる収穫の時期でもあり、森に囲まれた遺跡や、歴史が感じられる町並みを歩くにも、温泉でのんびりするにも、絶好の季節です。
世界遺産の森と湖
太古の森で、大きく深呼吸
青森県南西部と秋田県北西部にまたがる約13万haにも及ぶ広大な白神山地は、1993年に世界自然遺産に登録されています。
世界最大級の原生的なブナ林が分布し、美しい湖沼をめぐる比較的歩きやすいルートも整備されているので、1~3時間といった軽いハイキングが楽しめるのもオススメのポイント。
青森側(弘前市)からも秋田側からも、それぞれ公共交通機関を利用してのアクセスが可能なため、弘前城&久保田(秋田)城、角館などの武家屋敷や、日本海沿いに走る「五能線(ごのうせん)」から車窓をのんびり楽しむなど、いろいろな組み合わせができるのも魅力です。
新しい発見が続々と
アート好きにも人気の縄文文化
日本の歴史人気分布(?)では、戦国時代と幕末が双璧だと言われていますが、このところ「縄文式土器や土偶には、アートとしての魅力がある」ということで、縄文時代がひそかに人気を博しているそうです。
中でも、日本最大級の縄文集落跡として、世界遺産に登録される前から注目されていた三内丸山(さんないまるやま)遺跡:紀元前3,900年~紀元前2,200年は、竪穴建物、墓、貯蔵穴、掘立柱建物など多様な施設で構成され、出土品や復元物を含め、見どころたっぷり。
新幹線の「新青森駅」から、シャトル・ルートバスで15分ほどとアクセスも良いので、歴史好きならずとも訪れてみたいイチ押し遺跡です。
日本人が好きなものがここに
温泉、郷土料理、伝統文化……
飛行機でも新幹線でも、とても便利になった北東北。空港や駅に着いたら、そこからは、ローカル線やバス、あるいはレンタカーで、景色を楽しみながら、ゆっくり、のんびり、旅をしてみませんか?
聞こえてくる地元の人々のおしゃべりも、ゆったりと穏やかで、なんとなく温かい。
山や海、車窓に広がる田んぼや果実畑、効能豊かなにごり湯の温泉に、素朴な郷土料理。大切な人との旅行でも、ひとり旅でも、肩の力を抜いて、のびやかな気持ちで過ごせる数日間となりますように……。